償却資産税について

償却資産税について

記事作成日 2021/04/26    記事更新日 2022/07/29

事業を営んでいる場合、法人税や所得税などの他に償却資産税がかかる可能性があります。少々聞きなれない税金かもしれませんが、場合によっては納税額が多くなることもあり、注意が必要な税金です。今回はこの償却資産税について解説していきます。

償却資産税の対象

賦課期日(1月1日)現在所有している償却資産を、その年の1月31日までに、資産が在る都税・県税事務所に申告する必要があります。

償却資産税の対象となるもの

償却資産税とは固定資産税の一種で、事業の用に与するもので減価償却するべき資産に対してかかる税金です。原則的には有形減価償却資産が課税の対象となります。

飲食店であればテーブルや椅子、冷蔵庫などが、コンビニであれば陳列棚やレジなど、事業を営むために必要な設備は償却資産税の対象となります

償却資産税の対象とならないもの

全ての資産について償却資産税がかかるわけではありません。例えば建物や自動車については、別途固定資産税や自動車税がかかるため償却資産税の対象とはなりません

また、ソフトウェアなどの無形固定資産取得価格が10万円未満の資産や一括償却資産という3年間均等償却した20万円未満の資産についても対象外となります。

償却資産税の計算方法

償却資産税は、課税標準額と呼ばれる金額に税率を乗じて算出されます。課税標準額とは、資産の取得価格と耐用年数に応じた減価率によって計算される、全ての資産の評価額合計のことです。

この課税標準額には免税点が存在します。課税標準額が150万円未満の場合は非課税となり、償却資産税を納める必要はありません

【税額=課税標準額×税率(100分の1.4)】※東京都の場合

償却資産税の申告と納付

固定資産税の一種といえども、償却資産税の納税では固定資産税のそれとは異なる点がいくつかあります。しっかり確認して正しく償却資産税を納めましょう。

償却資産税は各市町村への申告が必要

償却資産税は各市町村に納める地方税で、資産の名称や数量、取得した年月や価格を申告する必要があります。償却資産税は各市町村から納税通知書が送られてくる固定資産税とは異なり、自己申告することで納税額が決定します。

該当する資産が無くとも申請は必要

各市町村は誰がどのような償却資産を保有しているかは把握していないため、課税標準額が150万円未満で償却資産税が免税になると思われる場合や、該当する資産がない場合でも申告は必要です。

また、該当する資産を手放した場合も申告が漏れるとそのまま課税され続けてしまうため注意が必要です。

さらに、償却済み資産や建設仮勘定で経理処理しているもの、遊休又は未稼働資産、租税特別措置法の規定を適用し、即時償却している資産も申告が必要になります。

申告後は年4回に分けて納付

申告した内容を元に各市町村が税額を計算し、償却資産税の納付書を送付してくれます。通知された金額は年4回の納期に分けて納付することとなります。申告から納付までタイムラグがあるため、忘れずに納付しましょう。

第1期 6月末
第2期 9月末
第3期 12月末
第4期 2月末


償却資産税の注意点

償却資産税の扱いにはいくつか注意点があります。以下では特に注意したい点を説明していきます。

取得価格における消費税の扱い

取得価格に消費税分を含めるか否かは経理処理によって変わってきます。税込で経理処理をしている場合は取得価格にも消費税分を含め、税抜で経理処理をしている場合には取得価格からは消費税分を除くこととなります。

税務処理と異なる扱いをする場合も

所得税などの税務処理と異なる処理をする資産もあります。例えば、少額減価償却資産(取得価格が30万円未満の資産)は一定の条件を満たす事業主では、一括で減価償却することが可能です。しかし、そうして減価償却が終了した資産であっても償却資産税は課税対象となります。

また、プライベートでも事業でも使用する設備について、所得税上では使用割合に応じて減価償却する経費が変わってきますが、償却資産税ではそのような按分が認められず、少しでも事業用で使用している場合その全額が課税対象となります。

申告漏れに注意

償却資産税は上記でも述べたとおり申告を行って初めて納付額が決定します。後から申告漏れが発覚した場合は、5年分まで遡って課税されます。

訴求分については次の納期に一括で納付することとなり、金額も多くなることが予想されます。思わぬ出費とならないように、毎年忘れずに償却資産税を申告しましょう。

まとめ

ここまで、償却資産税について解説してきました。償却資産税は所得税や消費税に比べると知名度が低いにも関わらず、申告制の税金のため知らない間に申告が漏れ脱税になってしまっていた、ということも起こりかねません。

特に飲食店など、開業時の設備投資が多くかかる業種では償却資産税が多くかかることが見込まれるため、しっかり内容を理解し正しく納税を行いましょう。

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