決算後でも間に合う!未払金・未払費用の計上で節税を

決算後でも間に合う!未払金・未払費用の計上で節税を

記事作成日 2020/08/20    記事更新日 2023/02/05

未払金・未払費用の計上は節税になる

決算が締まったあと、想定よりも利益が出てしまい納税額が大きくなってしまった場合、網羅的に未払金や未払費用を計上することで利益を圧縮し、節税につなげることができます。今回はこの未払金・未払費用の計上について解説します。

未払金・未払費用とは

未払金や未払費用とは、決算時点で支払いが翌期以降になることが確定しているものを指します。厳密には、以下の要件を満たしていることが求められます。

決算日までに
①支払いの義務が確定している
②支払いの義務に基づく契約が結ばれている
③支払い金額を計算できる

これらの要素を満たす費用については、支払いが未済でも未払金・未払費用として当期への経費算入が可能です。

未払金・未払費用の違い

未払金は後払いで商品を購入したり単発でサービスの提供を受けたりした際に使う勘定科目です。未払費用は後払いという点では未払金と同じですが、継続してサービスの提供を受ける際などに使う勘定科目です。

税務上では未払金・未払費用に違いはありませんが、会計上ではこのように単発か継続的かという点で、使用する勘定科目が異なるため、注意が必要です。

未払金・未払費用の例

ここからは主な未払金・未払費用を紹介します。決算時に以下のような未払項目があり、要件を満たすものについては網羅的に未払勘定として計上することで節税に繋げられます。

人件費

従業員に支払う人件費は未払費用として計上が可能です。月末締め翌月支払の場合は、決算月当月の1ヶ月分の人件費を未払費用として計上できますし、15日締めや20日締めなどの場合、締め日翌日から決算日までの人件費を日割り計算して未払費用として計上できます。

会社負担分の社会保険料

厚生年金などの社会保険料のうち、会社負担分については通常当月分を翌月支払っており、この分は未払費用として計上が可能です。

決算賞与

年に1度の決算の前後に従業員へ支払う賞与も未払でも経費としての計上が可能です。ただ要件や注意点が細かくなってくるため、決算賞与を未払計上する際には内容をよく確認したほうがよいでしょう。

家賃

家賃などが後払いの場合、未払費用として計上ができます。

水道光熱費

水道光熱費も未払費用として計上が可能です。利用期間が決算日をまたぐ場合は、人件費同様決算日までを日割り計算して当期分を算出します。

消耗品費

パソコンや備品等の購入費用が後払いになっている場合、未払金として計上ができます。

税金

消費税や不動産取得税、固定資産税など経費算入が可能な税金のうち、既に税額が決定しているものについては未払金として計上が可能です。罰金や延滞などにかかる税金や、個人事業主の所得税など事業と関係のない税金についてはそもそも経費算入が認められていないため、当然未払金としての計上はできません。

売上割戻

「売上割戻」とは得意先との継続的な契約により、販売した商品やサービスの量に応じて、一定の金額を購入者に戻すことです。当期の販売が一定の数量を超え、売上割戻を行うことは確定しているが、実際には来期に購入者にお金を支払う場合、未払費用として計上することで、当期の費用に織り込むことができます。

未払金・未払費用計上の際の注意点

翌期も同様の費用処理をする必要がある

会計上、同じ費用は毎期同様の費用処理をする必要があります。そのため一度未払金あるいは未払費用で計上した費用は翌期以降も同じ勘定科目を使って同様の処理をする必要があります。

翌期の利益見込とのバランスを考える

このスキームは通常翌期に支払を行ってから計上するはずの費用を、前倒して当期に計上するものであり、継続的な節税対策とは成りえない点に注意が必要です。そのため、突発的に利益が発生してしまい、当期の納税額が想定外に大きくなるといった場合や、翌期の利益が少なくなることが見込まれている場合にこのスキームを活用するのが有効です。

まとめ

未払金・未払費用の計上は、決算後でも行うことができるお手軽な節税方法です。未払計上しようとする科目によっては詳細な要件が設定されていることもあるため、よく確認してから計上するのがよいでしょう。

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