【相続】コインランドリーを使った節税対策

【相続】コインランドリーを使った節税対策

記事作成日 2021/12/10    記事更新日 2022/07/29

近年、相続税改正による増税がされ続けている事をご存じでしょうか?
この流れは止まる気配もなく、来年2022年にも再度の改正が行われます。

それらの相続税の増税にともない、相続税を支払わなければいけない人(課税対象者)も大幅に増加しています。

このような状況ですので、相続税の節税対策は他人事ではなく、多くの方の関心事となり、テレビや雑誌などのメディアで取り扱われることも増えてきています。

そこで今回は、

●相続税増税の状況
●現在、注目されている相続税の節税対策

について、お話させて頂きます。

1.相続税の課税対象者が大幅に増加しました!

『相続税の増税』の流れのなか、2015年に相続税の大幅な改正がされています。
その中でも特に注目するべきなのが『基礎控除額の引き下げ』となります。
具体例を踏まえてみてみましょう。

1.相続税の基礎控除額を計算してみます

●基礎控除額

改正前:5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)
改正後:3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

●具体例)配偶者1人、子供2人で、相続財産8,000万円の場合

改正前:5,000万円+(1,000万円×3人)=基礎控除額8,000万円
⇒相続税の課税なし

改正後:3,000万円+(600万円×3人)=基礎控除額4,800万円
⇒相続税の課税あり(8,000万円-4,800万円=3,200万円が課税対象)

2.相続税の課税対象者は約1.8倍になった!

上記の具体例の場合、
改正前は相続財産8,000万円までは相続税が課税されませんでした。
改正後は相続財産4,800万円から相続税が課税されてしまいます。

相続財産は不動産も当然含まれますので、4,800万円となると一気に身近な数字となり、もはや他人事とは言えません。

それを表す数字として、2015年の相続税の改正などで、相続税の課税対象者は約1.8倍になったと言われています。
(国税庁東京国税局『令和元年分 相続税の申告事績の概要』被相続人数の推移より)
驚くべき増加率ではないでしょうか?

2.相続税の節税対策で悲劇を防ぐ!

1.相続税はどのくらい課税される?

例えば上記1の具体例)配偶者1人、子供2人で、相続財産8,000万円、他の要素を考慮しない場合であれば、約175万円の相続税が課税されます。

2.東京都の平均課税額は約2,400万円!

しかし東京都などの都市部になれば、その相続税の額は大きく跳ね上がります。

国税庁の東京国税局から公表されている『令和元年分 相続税の申告事績の概要』の1ページ目概要をみてみましょう。

東京都で令和元年に相続税が課税された人の、1人当たり平均課税額は約2,400万円となっています。
東京都など都市部の場合は、現預金など金融資産を持っていなくても、不動産を持っていると思わぬ相続税の課税を受けてしまうのです。

想像してみてください。
現預金も持っていないのに、突然相続税2,400万円を支払う事になった時のことを。
そのような悲劇を防ぐためにも、相続税の節税対策を正しく知り、必要があれば対策をする事が大切なのです。

3.なぜコインランドリー経営が相続税の節税対策になるのか?

今回は数ある相続税対策のなかで、近年注目されている『コインランドリー経営』を活用した相続税の節税対策について、お話させて頂きます。

すぐには『コインランドリー経営』と相続税対策が、結びつかない方も多いのではないでしょうか?

例えば、遊休地3億円(400㎡)を所有している場合、相続税の『小規模宅地等の特例』という制度を活用することができます。

【小規模宅地の特例 遊休地3億円(400㎡)の場合】

●更地(青空駐車場含む)
⇒課税対象額:3億円のまま

●貸付事業用の宅地など(アパートなど賃貸住宅経営、駐車場経営など)
⇒1.5億円(200㎡)×50%減額=課税対象額:7,500万円
⇒3億円-7,500万円=課税対象額:2.25億円

●貸付事業以外の事業用の宅地など(コインランドリー経営など)
⇒3億円×80%減額=課税対象額:6,000万円

いかがでしょうか?
3億円の更地が、コインランドリー経営を行うことによって課税対象額6,000万円とすることができるのです。

相続税の節税対策として、コインランドリー経営が注目される理由が何となくお分かり頂けたでしょうか?

4.コインランドリー経営で何千万円もの相続税の節税対策になるかも?

では実際どのくらいの相続税の対策効果があるのでしょうか?

【コインランドリー経営を活用した相続税の節税対策効果】

●例えば、配偶者1人、子供2人で、他の要素を考慮しないときに相続財産が遊休地3億円のみの場合
対策前:課税対象額3億円⇒相続税額 約2,860万円
対策後:課税対象額6,000万円⇒相続税額 約60万円
相続税の節税対策効果:約2,800万円

となります。

以上より、コインランドリー経営を活用した相続税の節税効果は、非常に大きいことが分かります。
ただし、今回は相続財産が遊休地のみの場合になりますので、ケースバイケースで、有効な対策は異なることをご留意ください。

5.コインランドリー経営を活用した相続税の節税対策のメリット

ここまでコインランドリー経営を活用した相続税の節税対策のお話をさせて頂きました。

それでは相続税対策として活用例の多い、アパート・マンションなどの賃貸住宅経営と比べた、コインランドリー経営のメリットをみてみましょう。

1)土地の課税評価額の減額率が大きい
(小規模宅地の特例を利用する場合)
・コインランドリー経営:土地400㎡まで減額率80%
・賃貸住宅経営:土地200㎡まで減額率50%

2)初期費用リスクが小さい
・コインランドリー経営:初期費用 約2,000万円から4,000万円
・賃貸住宅経営:初期費用 約5,000万円から1億円

3)経営リスクが小さい
・コインランドリー経営:利回り約15%前後
・賃貸住宅経営:利回り約6%前後
立地や経営パートナーなどに影響する面はあるかと思われますが、利回り面でみるとコインランドリー経営の方が経営リスクは小さいと言えます。

6.コインランドリー経営を活用した相続税の節税対策のデメリット

ここまでコインランドリー経営のメリットをお話させて頂きましたが、デメリットもみてみましょう。

1) 初期投資がかかる
コインランドリー経営の初期費用は、約2,000万円から4,000万円と言われています。
賃貸住宅経営に比べると少額ですが、大きな費用がかかる事は、間違いありません。

2) コインランドリー経営面での大きな収益には経営努力が必要
コインランドリー経営の利回りは約15%前後と言われていますが、同様の店舗が増えてきた場合など、利回りを維持するには、経営努力が必要だと思われます。
こういった面もデメリットの1つと言えるでしょう。

7.まとめ

ここまで相続税の節税対策の重要性と、コインランドリー経営を活用した節税対策についてお話させて頂きました。

●相続税の増税による課税対象者の大幅な増加
●相続税対策しないと多額の相続税がかかることがある
●コインランドリー経営を活用した相続税の節税対策
●コインランドリー経営のメリット
●コインランドリー経営のデメリット

相続税の課税対象者の方が、節税対策しないと多額の相続税が必要になることがあります。
東京都などの都市部に不動産を所有されている方は、相続税の課税対象者になっている確率が非常に高いでしょう。

まずは相続財産を把握し、課税対象になっている場合は節税対策を検討してみることからはじめましょう。
相続税の節税対策はケースバイケースの場合が多いので、十分な勉強が必要かと思います。

ただ、相続は皆さまにとっても非常に大切な事であり、節税対策の勉強は、非常に大きなメリットがあり費用対効果が高いと言えるでしょう。

当サイト『節税の教科書』もその一助になれれば幸いです。

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