【相続】都心には2世帯住宅がなぜ多いのか

【相続】都心には2世帯住宅がなぜ多いのか

子育てや介護のしやすさ、金銭的メリットなどから人気が高まっている2世帯住宅ですが、
東京都心などには特に2世帯住宅が多いように思います。なぜでしょうか?

今回の記事では「都心には2世帯住宅がなぜ多いのか?」について解説します。

1.2世帯住宅は相続税対策になる

都心に2世帯住宅が多い理由を一言でいいますと、
「2世帯住宅は大きな相続税対策」になるからです。

当然、その他にも、

・2世帯住宅にすれば住宅の取得費用を抑えられる
・電気代など生活費の節約ができる
・子育てをサポートしてもらえる
・親の老後の世話がしやすい

など、色々なメリットがありますが、やはり1番のメリットは相続の対策になるでしょう。
それでは、2世帯住宅と相続の対策について説明します。

1)「小規模宅地の特例」が適用できる

「自宅が建っている土地」があり、その所有者が亡くなり相続が発生した場合、
一定の条件を満たすと、相続税の計算のときに
土地の評価額を下げられる特例」があります。

これを「小規模宅地の特例」といい、自宅の土地で330㎡(約100坪)までの部分について
「土地の評価額」を「80%減額」できます。
一定の条件は下記に記載しますが、細かな条件などが付されています。
条件に該当するかどうか分からない場合は、税理士などの専門家に確認するとよいでしょう。

「土地の評価額」を「80%減額」ですので、
非常に大きな相続の節税効果がある
と言えるでしょう。

国税庁東京国税局公表の『令和元年分の相続税の申告実績の概要』によると、
東京都で令和元年に相続税が課税された人の、
1人当たり平均課税額は約2,400万円となっています。

都心の土地の値段が高い場所であれば、この「小規模宅地の特例」を利用しないと
莫大な相続税がかかってしまう方も多いのではないでしょうか?

●「小規模宅地の特例」を利用できる条件

亡くなった人の自宅が建っている土地
①配偶者が相続する場合
②同居する子などの親族が相続して、引き続き住む場合
③相続発生前3年間、自宅を所有した事がない別居する子などの親族が相続する場合

亡くなった人が所有する土地で、亡くなった人と生計を一にする親族が住いんでいる土地
④配偶者が相続する場合
⑤その生計を一にする親族が、同土地を相続して引き続き住む場合

2)区分所有登記は注意が必要

2世帯住宅の相続で、特に注意が必要なのが、
そこに住む子供などが上記②の「同居する親族」に該当するかどうかです。
その判断にあたっては、建物登記を確認する必要があり、
区分所有登記」がされているかどうかがポイントになります。

「区分所有登記」とは、
一棟の建物で「構造上区分されている部分」ごとに所有権を設定する登記をいい、
多くの2世帯住宅がこの「区分所有登記」の方法をとっています。

そして、「区分所有登記あり」にすると
「小規模宅地の特例」が適用できない
ので、十分に注意が必要です。

ただし、「区分所有登記あり」にすると、親世帯と子世帯が別々にローンを組める、
固定資産税を抑えられるなどのメリットもありますので、
その他の条件などと比較して、十分に検討しましょう。

●「小規模宅地の特例」と「区分所有登記」

区分所有登記なし 〇「小規模宅地の特例」適用できる
区分所有登記あり ×「小規模宅地の特例」適用できない(同居親族に該当しない)

 

●2世帯住宅の登記方法

単独登記 2世帯住宅を1戸の住宅と考え、親か子のどちらかの名義で登記する。
共有登記 親と子とで共有しているものとして登記する。
区分登記 2世帯住宅を完全に別戸として、それぞれの名義で登記する。
完全分離型の2世帯住宅であれば区分登記が可能。

 

3)住宅取得など資金に係る贈与税非課税措置の活用

2世帯住宅を検討する時に、親からの資金援助を考える場合も多いでしょう。
そこで、親から子に現金を贈与し、それを住宅取得にあてる場合には
一定金額まで、贈与税が非課税になる措置があります。

ただし、相続人が複数いる場合などは、相続問題に関係してきますので、
事前に話し合いをするなど慎重に検討するとよいでしょう。

●「住宅取得など資金に係る贈与税非課税措置」の非課税限度額
(住宅用の家屋の新築等に係る対価等の額に含まれる消費税等の税額が10%である場合)

契約締結日 省エネなど住宅 左記以外の住宅
2021年4月1日~2021年12月31日 1,500万円 1,000万円

※国土交通省「令和4年度税制改正要望」により期間延長を要望

2.地価の高い都心に2世帯住宅は特に有効

前述の内容のように、2世帯住宅は相続の対策としてメリットが大きいことが分かりました。
ただ、東京都心ではなぜ特に2世帯住宅が多いのでしょうか?

理由はいたって簡単です。

結論:都心は地価が高いから。相続に対する2世帯住宅のメリットが特に大きい!

条件を満たせば、「小規模宅地の特例」により、
自宅の土地で330㎡までの部分について「土地の評価額」を「80%減額」できます。
地価が高ければ高いほど、効果は大きくなります。

「区分所有登記なし」「区分所有登記あり」にするメリット・デメリットも、
都心のように土地の値段が高い場合は、「区分所有登記なし」にして
「小規模宅地の特例」を適用するメリットの方が上回ることが多いからです。

都心に土地をお持ちのご家庭は、計画的に2世帯住宅を検討されると、
大きな相続の対策になる可能性が高い
でしょう。

3.2世帯住宅による相続税対策の具体例

それでは、2世帯住宅にすると、どのくらいの相続税対策になるか説明します。

具体例)
・相続税評価額1億円の自宅の土地(200㎡)を相続した
・区分所有登記しておらず「同居の親族に該当」するので、「小規模宅地の特例」が適用できる

相続税評価額1億円×80%減額「小規模宅地の特例」=相続税評価額2千万円

区分所有登記をせずに条件を満たし、2世帯住宅で同居の親族に該当させるだけで、
相続税評価額を8千万円も減額できます。

自宅の土地で330㎡までが対象になりますが、相続税評価額2億円であれば1億6千万円、
相続税評価額3億円であれば2億4万円の減額となります。
相続の対策としては非常に効果が大きいと言えるでしょう。

また、「住宅取得など資金に係る贈与税非課税措置」を利用すると

2世帯住宅を建てるときに「最大1,500万円の贈与」を非課税で受けられる

こちらも非常に節税効果などメリットが大きいと言えるでしょう。
ただし、相続人が複数いる場合などは、相続問題に関係してきますので、
事前に話し合いをするなど慎重に検討するとよいでしょう。

4.まとめ

都心に2世帯住宅が多い1番の理由は、2世帯住宅は大きな相続税対策になるからです。
「区分所有登記なし」にして、「小規模宅地の特例」を適用すれば、
土地の評価額を80%減額できます。

特に都心などの土地の価格の高い場所は、
「小規模宅地の特例」を利用した相続の節税対策は、効果が大きい
と言えるでしょう。

ただし「区分所有登記なし」「区分所有登記あり」にするメリット・デメリットを
しっかりと比較した上で利用しましょう。

また、「小規模宅地の特例」などとは別に
「住宅取得など資金に係る贈与税非課税措置」を利用すると、
最大1,500万円の贈与を非課税で受けられます。

都心で2世帯住宅にして相続の対策をすることは、非常に効果的だと言えます。
ただし、色々な要件などがありますので、不明なことなどございましたら、
ぜひお気軽に「税理士法人 小山・ミカタパートナーズ」にご相談ください。

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