経営セーフティ共済で節税対策|メリット・デメリットなど解説

経営セーフティ共済で節税対策|メリット・デメリットなど解説

記事作成日 2020/08/02    記事更新日 2022/08/07

今回は、取引先が倒産した際に、中小企業が共倒れ倒産や経営難に陥ることを防ぐ「経営セーフティ共済(別名:中小企業倒産防止共済制度)」についてご紹介します。経営セーフティ共済 は、不測の事態に備えながら節税できる共済制度です。また、解約すると掛金がもどってくるほか、危機的状況の場合には借入れ制度が利用できます。

本記事のポイント

  • 掛金は経費にできるので節税効果が高い
  • 解約しても掛金がもどってくる
  • 無担保・無保証で借入れできる
  • 解約の際の解約手当金は課税対象になるので、解約するタイミングには注意が必要

いざという時に備えて貯蓄しつつ、節税対策もしたい経営者の方は、ぜひ最後まで読んで検討してみてください。

経営セーフティ共済とは

経営セーフティ共済の概要

経営セーフティ共済とは、別名「中小企業倒産防止共済制度」ともいい、取引先が倒産した際に、連鎖倒産や経営難に陥ることを避けるための制度です。国の機関である中小企業基盤整備機構(通称:中小機構)が運営しています。昭和53年に始まった制度で、現在の加入者数は約46万人です。

加入すると、掛金の10倍(最大8000万円)まで借入れでき、掛金は法人の場合は損金・個人事業の場合は必要経費に参入できます。掛金月額は5,000円~20万円までの範囲(5,000 円単位)で自由に選択でき、加入後も増減可能です。総額800万円まで積み立てることができます。なお、同じく中小機構が運営する小規模企業共済とは異なり、運用益は発生しません

小規模企業共済とは|メリット・デメリットなどわかりやすく解説

経営セーフティ共済の加入資格

継続して1年以上事業を行っている中小企業者で、以下のAまたはBの要件いずれかに該当する場合に加入できます。また、一定の組合も加入対象です。

A B
業種 資本金の額または出資の総額 常時使用する従業員数
製造業、建設業、運輸業その他の業種 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下
ゴム製品製造業(自動車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業ならびに工業用ベルト製造業を除く。) 3億円以下 900人以下
ソフトウェア業または情報処理サービス業 3億円以下 300人以下
旅館業 5,000万円以下 200人以下

経営セーフティ共済の節税効果

掛金は全額損金に算入できるため、高い節税効果が期待できます。また、前納すると掛金は少し割安になり、1年以内の前納掛金は、支払った期の損金に算入できます

経営セーフティ共済のメリット

無担保・無保証で借入れできる

取引先が倒産し、売掛金の回収が困難になった場合には、すぐに借入れることができます。貸付額の上限は、「売掛金債権」か「納付金額の10倍(8000万まで)」のいずれか低い方の金額です。なお、貸付金は無利子ですが、借入れ額の10%が納付済の掛金から引かれるので注意が必要です。例えば、8000万円借入れた場合、800万円の掛金の権利が消失するので、借入れの際は充分な検討が必要でしょう。

他に、取引先が倒産していなくても借入れできる一時貸付金制度もあります。貸付額の上限は解約手当金の95%で、こちらも無担保・無保証で借入れできます。なお、利息は金融情勢に応じて変動しますが、現在年0.9%となっています。

経営セーフティ共済のデメリット

40ヶ月(3年と4ヶ月)未満で解約すると掛金が全額戻ってこない

加入後40ヶ月未満で解約すると、元本割れするので注意が必要です。なお、12ヶ月未満は掛け捨てになるので、この点も留意しておく必要があります。

受取り時に課税される

解約時の解約手当金は益金扱いとなり、受け取った事業年度の課税対象になります。掛金は損金として算入できますが、課税の先送りである点を注意しておく必要があります。経営セーフティ共済を活用する際は、解約手当金をいつ受け取るかが重要です。対策としては、退職金や修繕費など支出・投資が大きくなる時期や、赤字になりそうなタイミングで解約して、所得と相殺するなどが有効でしょう。

経営セーフティ共済の加入手続き

確定申告書などの公的書類や申込み用紙など、各種書類が必要です。加入手続きは、委託団体(商工会など)や金融機関で行う必要があります。必要書類や加入窓口の詳細は、中小機構の公式ホームページ「加入手続き」よりご確認ください。

こんな人におすすめ

  • 事業が軌道に乗ってきて資金繰りに余裕があり、節税を考えている方
  • 万一に備え、資金を蓄えておきたい方

まとめ

以上、経営セーフティ共済の節税効果やメリット、デメリットなど解説してきました。経営セーフティは、掛金が損金にできるので節税となり、解約すると掛金が戻ってくるほか、もしもの時には借入れもできる制度です。解約のタイミングに留意して賢く活用すれば、効果的な節税対策になるでしょう。

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