学生フリーランスが知っておきたい勤労学生控除を使って節税する
記事作成日 2020/10/14 記事更新日 2023/02/05
学生フリーランスとして稼いでいる場合は、通常の社会人フリーランスでは利用できない控除を利用できます。その控除は「勤労学生控除」です。アルバイトの給料受け取りや税金計算で耳にしたことがあるかもしれません。
今回は、この勤労学生控除について、詳細を解説していきます。
勤労学生控除とは
勤労学生控除とは、納税者が「勤労学生」である場合に受けられる所得控除です。勤労学生は下記の条件にすべて当てはまる人を指します。
- 給与所得などの勤労による所得がある
- 合計所得金額が75万円以下で、勤労による所得以外の所得が10万円以下である
- 次にあげる学校の学生、生徒である
「学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校など」
「国、地方公共団体、私立学校法の第3条に規定する学校法人、同法第64条第4項に規定する法人、
これらに準ずる一定の者により設置された専修学校又は各種学校のうち一定の課程で履修させるもの」
「職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練法人で一定の課程を履修させるもの」
勤労学生控除の金額は一律「27万円」です。勤労学生控除を受ける際、給与所得者か個人事業主(フリーランス)かで手続きが異なってきます。給与所得者の場合は、「扶養控除等(異動)申告書」に勤労学生控除に関する事項を記載して、勤務先に提出する必要があります。個人事業主(フリーランス)の場合は、確定申告の際に確定申告書にて勤労学生控除に関する事項を記載して、税務署に提出します。
勤労学生控除を受けると、扶養控除からは外れる
勤労学生控除を受けると、税金を安くすることが可能です。ただし、勤労学生控除を受けると、扶養控除からは外れます。親の扶養に入っている場合は注意が必要です。
前提として知っておくべきことが「税金が課されない範囲」になります。アルバイト、サラリーマンを問わず、給与所得を受け取っている人は「給与所得控除」を受けることができます。給与所得控除額は55万円です。また、給与所得以外にも、すべての人が受けられる「基礎控除」があります。こちらの金額は48万円です。
勤労学生控除の27万円と合わせると、「130万円」となります。したがって、勤労学生控除を受けている場合は、130万円までは税金がかかりません。税金を0円にしたい場合は、年収130万円以下に抑える必要があります。これに対して、扶養控除の適用を受けるためには、年間の給与所得を103万円以下にしなければなりません。
所得が103万円を超えると、扶養控除からは外れてしまいます。その後、130万円までは勤労学生控除が適用されるので、勤労学生自身には所得税は発生しません。ただ、扶養控除から外れることで、親の税金は増加します。勤労学生控除を利用する際は、親に扶養控除を外れてもよいか、確認をとっておくことをおすすめします。
学生フリーランスとして、社会人並みに稼いでいる場合は利用できない
勤労学生控除を利用する場合は、年間の所得金額が75万円以下(実際の年収は130万円以下)でなければいけません。したがって、フリーランスのエンジニア等で既に社会人並みに稼いでいる学生の場合は、勤労学生控除を利用することはできません。同額を稼いでいる社会人と同様の所得税がかかってきます。
勤労学生控除を節税手段として利用する場合は、年間の所得金額を130万円以下に調整しなければいけません。アルバイト感覚でフリーランスをしている場合は、勤労学生控除を利用できるケースが多いので、確定申告の際に忘れずに申請を行いましょう。
まとめ
勤労学生控除は、所定の条件を満たした勤労学生が利用できる控除になります。27万円の控除を一律で受けられるので、条件を満たしている場合は積極的に利用しましょう。ただ、親の不要に入っている人が勤労学生控除を利用してしまうと、扶養控除から外れてしまいます。扶養控除から外れると、親の税金が高くなるので、扶養に入っている場合は、勤労学生控除を受けても良いかあらかじめ確認するようにしてください。
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