【節税】いますぐ経営力向上計画を申請すべき理由!その方法とメリットを解説
記事作成日 2020/10/14 記事更新日 2023/02/05
1.経営力向上計画とは?申請すべき理由
いますぐ経営力向上計画を申請すべきであると言われても、まず経営力向上計画が何なのか、また、申請することによるメリットが何なのかが理解ができないと申請を前向きに取り組めないと思います。ということで、まずは経営力向上計画についてどのようなものかみていきましょう。
経営力向上計画は、条件に該当する中小企業が策定し、認定を受ければ、税制優遇や金融支援などのメリットを受けることができるものとなります。経営力向上計画を策定し認定されれば、国や金融機関等が後押ししてくれる制度なのです。
要するに、計画を策定・認定してもらえればメリットを受けることができる制度です。そうなると申請が煩雑なのではという疑問も出てくるかと思いますが、申請書は3枚で、
- 企業概要
- 現状認識
- 経営力向上の目標や経営力向上による経営の向上の程度を示す指標
- 経営力向上の内容
- 事業承継等の時期及び内容(事業承継等を行う場合)
など簡単な内容を記入するだけで認定を受けることができるのです。申請も煩雑ではなく、税制措置、金融支援、法的支援のメリットを受けることができる制度なので申請をすべきなのです。
では、経営力向上計画の具体的な申請方法をみていきましょう。そして、そのあとに経営力向上計画書の申請することで得られるメリットをみていきましょう。
2.経営力向上計画の申請の流れ
具体的な申請の流れですが、以下のステップとなります。
- Step1:事前確認・準備
- Step2:経営力向上計画の策定
- Step3:経営力向上計画の申請・認定
- Step4:経営力向上計画の開始、取組の実行
まずStep1の事前確認ですが、経営力向上計画の申請の対象となる中小企業者等を確認する必要があります。中小企業者等に該当するのは以下の会社となります。
項目 | 会社 |
---|---|
資本金 | 10億円以下 |
従業員数 | 2,000人以下 |
上表を見て頂くと、経営力向上計画の申請ができるのはほとんどの中小企業だとわかります。ただし、税制措置を受けたいのであれば、対象となる要件が上表とは異なるので注意が必要です。
税制措置を受けるための中小企業者等の要件は、以下の要件のうち、①及び②又は③を満たす会社となります。
- 資本金の額又は出資金の額が1億円以下
- 大規模法人(=中小企業者等以外の法人)に発行済株式又は
出資の総数又は総額の2分の1以上を直接所有されていない法人 - 複数の大規模法人に発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上を直接所有されていない法人
次にStep2の経営力向上計画の策定ですが、以下の内容を進めていきます。
- 「日本標準産業分類」で、該当する事業分野を確認
- 事業分野に対応する事業分野別指針を確認
- 事業分野別指針(または基本方針)を踏まえて経営力向上計画の策定
このStepでは、経営力向上計画を策定していくのですが、当該計画を実施前と実施後で経営力の向上の程度を示す指標を伸ばす計画を考えていかなければいけません。とはいえ、自社で考えるには方針がなければ難しいと思います。そこで「日本標準産業分類」で該当する事業分野を確認すれば、事業分野ごとの指針があります。当該指針を参考に経営力向上計画を策定していくことになります。
経営力向上計画における申請書では、
- 確認した事業分野や現状認識
- 経営力の向上の程度を示す指標
- 経営力向上のための施策
- 受けようとする税制措置
- 金融支援
などを記載していくことになります。
次にStep3の経営力向上計画の申請・認定では、Step2で確認した各事業分野に基づき、各事業分野の主務大臣に計画申請書(必要書類を添付)を提出します。なお、必要書類については、Step2の申請書で記載した支援などに基づき書類が異なるため、確認する必要があります。
そして、認定を受けると提出した主務大臣から計画認定書と計画申請書の写しが交付されることになります。Step3まで終われば、Step4の経営力向上計画の開始、取組の実行と進んでいきます。以上が、経営力向上計画の申請の流れとなります。
3.経営力向上計画を申請によるメリット
では、経営力向上計画を申請するとどのようなメリットがあるのでしょうか。税制措置、金融支援、法的支援の三方面からメリットがあります。まず、税制措置については主には以下の3つの制度があります。
- 法人税について、即時償却又は取得価額の10%の税額控除が選択適用(中小企業経営強化税制)
- 事業承継時の土地・建物の取得に係る登録免許税・不動産取得税の軽減
- 所得拡大促進税制の上乗せ
まずa.の中小企業経営強化税制ですが、生産力を向上する設備投資や投資利益率が5%以上の設備投資、デジタル技術を用いて遠隔操作などができるような設備投資を実施した場合に適用することができます。適用できる設備については即時償却あるいは取得価額の10%の税額控除を適用することができます。
次にb.の登録免許税・不動産取得税の軽減です。認定された計画に基づいて合併等で土地・建物を取得した場合には、登録免許税・不動産取得税の軽減税率を用いることができます。
最後にc.の所得拡大促進税制です。通常は給与総額の増加額の15%の税額控除ですが、経営力向上計画を認定され、別途、要件を満たせば上乗せの給与総額の増加額の25%の税額控除を使うことができます。
次に金融支援ですが、日本政策金融公庫などの融資を低金利で受けることができます。また、その他にも資金調達に関して有利な支援を受けることができます。法的支援としては、許認可承継の特例、組合発起人数の特例、事業譲渡の際の免責的債務引受けの特例を受けることができます。
以上、経営力向上計画を申請するとそれぞれのメリットを受けることができます。さらに詳しく知りたい方は、経営力向上計画についてまとめた記事も併せてをご参照下さい。
4.まとめ
ここまで経営力向上計画についてみてきましたが、申請することで税制措置、金融支援などのメリットを受けることができます。申請については、申請書は3枚で手続きも煩雑ではないため、是非とも活用したい制度となっています。
経営力向上計画の申請など疑問点や不安点があれば、気軽にご相談頂ければと思います。
※今回みてきた経営力向上計画ですが、詳細な手続きや申請書などは
中小企業庁のHPに記載がありますので、合わせてご確認ください。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/index.html
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