固定資産税の見直しによる大幅削減

固定資産税の見直しによる大幅削減

記事作成日 2021/08/08    記事更新日 2023/02/05

不動産を所有している人は毎年固定資産税を納付することになります。
固定資産税の額は、毎年4~6月頃に送付される通知書に記載されています。
納付書が届くとすぐに支払うと言う方も多いでしょう。

しかし、納税通知書に記載されている金額が誤っている場合があることをご存知でしょうか。
固定資産税の計算にミスがあり、税金を払い過ぎていた場合、通常過去5年間遡って還付を受けることが可能です。

今回は、払い過ぎた固定資産税の還付を受けられる可能性がある「固定資産税の適正化」について解説します。

固定資産税の制度概要

固定資産税とは土地・家屋などの固定資産を1月1日時点で保有する人に課税される税金です。
固定資産税の計算式=固定資産税評価額(課税標準)×1.4%(標準税率)

土地・家屋の評価額は総務省の定める固定資産評価基準を基に算定され、3年毎に評価の見直しがなされます。
2021年に見直しがなされましたので、次回は2024年となります。

土地の固定資産税評価額は一般的に時価の7割程度、建物は時価の6割程度と言われています。
つまり、時価1,000万円の土地であれば、固定資産税評価額は700万円程度となります。
家屋は、同じ建物を建てた場合、どれくらいの費用がかかるかを想定し、経年劣化分を補正し、算出します。(再建築価格)

簡単な式にすると
評価額=再建築に必要な金額×建物の劣化等による減価
と理解しておいてもらえればまずは大丈夫です。

尚、経年劣化分の補正率は最低でも0.2となるため、家屋の評価額は新築時の2割までしか下がらないことになっています。

固定資産税の過払いが頻発

計算の基礎となる土地・家屋の評価額は、資産の所在する自治体により計算されます。
しかし、自治体の担当者が鑑定評価や建築に精通する不動産鑑定士の様な専門家ではなく、固定資産税評価額が適正に算定されていない可能性があります。

また、自分の土地や家の周りの固定資産税評価額を見ることができる「縦覧制度」もありますが、普通の人はわざわざ毎年確認するようなことはしないでしょう。

そのため、固定資産税評価額の適正性について十分に確認する機会が納税者に与えられておらず、誤りがあっても発見しづらい仕組みになっています。

実際に、2018年度には東京都・政令指定都市だけでも約14万件、約72億円の過払いが発生していました。

固定資産税評価額の適正化とは

固定資産税の適正化とは高く算出されている固定資産税を適正な価格に戻すことです。
適正価格に戻すことで、納税者に有利となった場合、今後の固定資産税納付額が少なくなるだけでなく、払い過ぎた税金が還付されます。
固定資産税の評価額はあらゆる理由で誤った評価がされています

例えば、延べ床面積の測量ミスや地目や種別、建物構造等が誤って登録されているケースもあります。
軽減措置を受けられるにも関わらず適用されておらず、高い評価のままとなっているケースもあります。

固定資産税評価適正化の効果

①固定資産税評価額の減額
通常は過去5年間の固定資産税過払い分の還付、将来の税負担削減を期待できます。

②不動産価値の向上
固定資産税の負担が減ることにより、保有不動産のキャッシュフローが改善し、
不動産を売却する際の資産価値が向上します。

固定資産税評価額の適正化の流れ

固定資産税評価額の適正化は以下4つのステップで行われます。

4つのステップを順番に解説します。

Ⅰ不動産の判定
不動産の判定とは課税明細書や建物の登記簿謄本の表題部を確認し、所在地・用途・構造・築年数等をチェックします。
評価額が過大である可能性のある不動産を見極めていきます。

Ⅱ資料開示請求
不動産の判定を行ったあと、固定資産税評価の適正化を行える可能性がある不動産について自治体に資料開示を請求します。
開示された資料に基づいて減額の可能性があるか詳しく検討します。

Ⅲ減額申し入れ
固定資産税評価の適正化により税金の減額の可能性があると判断した不動産について自治体に減額の申し入れを行います。
まずは任意申し入れを行い、任意申し入れが受け入れられなかった場合は固定資産評価審査委員会に審査申し出を行います。

Ⅳ還付
自治体が評価減額を認めた場合は評価の差額について払い過ぎた税金が還付されます。

よくある質問

固定資産税適正評価についてよくある質問について回答します。

Q:税額が間違っているということが本当にあるのですか?
A:あります。実際に約3割程度の土地・建物で大きく乖離しています。

Q:診断すると過少評価となる場合もありますか?
A:過小評価と診断されることもありますが、まずは診断を行って還付の可能性があるか探ってみることをおすすめします。

Q:最大何年分の過払い分が還付されますか?
A:基本的に過去5年分の還付となります。
例外として、「重大な錯誤」があるような場合には、最大20年分の過払い金が還付される場合もあります。

Q:適正化に向けて負担は大きいですか?
A:調査や評価はすべて弊社が行いますので、負担はほとんどありません。

Q:税理士から適性価格と言われていますが診断する価値はありますか?
A:税理士は税金の知識はありますが、不動産の知識は有していないケースがあります。
不動産の知識がない税理士は価格が適正かどうか判断できない場合がありますので、診断をする価値はあります。

Q:古い建物の場合、還付金も小さくなりますか?
A:建物が古いからと言って還付が小さいわけではありません。
古い建物は評価が下げられるはずですが、実際は下げられていないケースがあります。
そのため、大きく還付を受けられる可能性があります。

Q:自治体によって対応は異なりますか?
A:自治体によって対応は大きく異なります。
東京23区、名古屋市、大阪市、神戸市などは比較的還付が難しいと言われています。
しかし、課税が不公平に行われている、違法であると判決がでた影響もあり、徐々に還付が受けやすい状況となっています。

固定資産税は毎年払わないといけない且つ多額になりますので、一度自分が持っている土地・建物の評価額が本当に適正なのか、専門家に相談してみることをお勧めいたします。

利用した9割以上の経営者が満足した無料メルマガ 節税の教科書_虎の巻の登録はこちら

安全に税金対策をしたい方へ

税の分野は毎年のように税制改正があり、素人の付け焼刃では節税のつもりが脱税になっていることも多いため、節税には非常に高度な知識が要求されます。

もしあなたがもっとも安全かつ効率的に税金対策をしようと考えているとしたら、行うことはただひとつ。

それは、「節税に強い専門家」に相談することです。

弊社では、監査法人や外資系コンサルティング、元国税庁出身など豊富なキャリアを持つメンバーが貴社の資産形成を全力で応援します。

なお、当社は節税や収益向上に特化したアドバイザリー集団ですので、顧問税理士の方が別にいらっしゃっても構いません。セカンドオピニオン(専門的意見)としてアドバイスさせて頂きます。是非、お気軽にお問い合わせください。