役員賞与を出して節税!社会保険も低くする裏技

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役員賞与を出して節税!社会保険も低くする裏技

記事作成日 2020/10/06    記事更新日 2022/07/31

役員に対する月々の給与は「役員報酬」という形で支払われます。これに加えて、役員へのボーナスは「役員賞与」として支給されます。この役員賞与、実はうまく利用することで、社会保険料を大幅に節約することができます。今回は、役員賞与を利用してどれくらい社会保険料を減らせるのか、解説していきます

役員賞与を増やすことで社会保険料を減らせる

役員賞与を増やすことで、社会保険料を減らすことが可能になります。なぜ社会保険料の上限が減らせるかというと、「賞与に対する健康保険料・厚生年金保険料」に上限が設けられているためです。賞与に対する社会保険料の上限は、下記のように設定されています。

  • 健康保険料:573万円/年
  • 厚生年金保険料:150万円/月

役員賞与の金額が、上記の金額よりも大きい場合、上記の金額で賞与を得たものとみなして、社会保険料の計算が行われます。続きの役員報酬を多くするよりも、役員賞与の金額を大きく設定して年収を増やした方が、トータルの社会保険料は低くなります。同じ年収の金額になるならば、役員賞与で調整した方が余計な費用を払わずに済むのです。

「社会保険料の金額が低くなると、所得税・法人税の金額が高くなる」という意見もあるかと思いますが、トータルでみると社会保険料の下げ分の方が、所得税・法人税の上昇分よりも大きいです。なので、所得税・法人税の上昇分についてはそこまで心配する必要はありません。

高額療養制度の自己負担を減らすことにもつながる

役員賞与を高くすることで、高額療養制度の自己負担限度額を低くすることにもつながります。高額療養制度とは、入院や治療、手術などで高額な医療費がかかってしまった場合に、自己負担額を超えた分が戻ってくる制度になります。自己負担の限度額は、標準報酬月額によって決められているので、毎月の報酬を役員賞与を高くして抑えれば、限度額を下げることが可能なのです。

役員賞与を増やす手続き

役員賞与は、経営陣の間で勝手に金額を決めることはできません。下記の手順を踏まえて、役員賞与の金額を変える必要があります。

  1. 株主総会で役員賞与増額を決議する
  2. 事前確定届出給与に関する届出を実施する

株主総会で役員賞与増額を決議する

役員賞与を増額するためには、まず株主総会で決議を行う必要があります。株主総会で決議が通ったことを証明するために、株主総会の議事録を必ずとっておくようにします。

事前確定届出給与に関する届出を実施する

株主総会で決議が完了した後は、税務署に「事前確定届出給与に関する届出」という書類を提出します。こちらの書類は、役員賞与が利益調整のために悪用されることを防ぐために、事前に役員賞与の金額と支給日を決める目的があります。

届出を提出していないと、役員賞与の金額を損金として計上することができなくなりますので、要注意です。事前確定届出給与に関する届出の提出時期は、下記の期間のうち早い方の時期となっています。

  • 株主総会で役員賞与について決議した日から1ヵ月以内
  • 会計期間開始日から4ヵ月以内

一度届出を出した後は、基本的に金額の変更はできません。ただし、会社の業績悪化などで届出に記載した役員賞与の金額を支払えない場合は、「事前確定届出給与に関する変更届出」の提出が必要です。役員賞与の金額を上げる目的では、こちらの変更届出は利用できないので注意してください。

役員賞与を増やすことで、どれくらい社会保険料が変わるのか

役員賞与を増やすことで、どれほど社会保険料が変わってくるのか、確認していきましょう。まず役員報酬として「毎月100万円」を得ていた場合、毎月の健康保険料・厚生年金保険料は下記のようになります。

  • 健康保険料:97,020円
  • 厚生年金保険料:113,460円

1年間にかかる社会保険料の合計金額は「2,525,760円」となります。

これに対して、毎月の役員報酬を「5万円」まで減額して、役員賞与として「1,140万円」を受け取るとします(合計の年収は1,200万円となり、毎月100万円の役員報酬をもらうケースと同額になります)。毎月の役員報酬にかかる健康保険料・厚生年金保険料は下記の通りです。

  • 健康保険料:5,742円
  • 厚生年金保険料:16,104円

年間の社会保険料の合計金額は「262,152円」となります。役員賞与「1,140万円」にかかる健康保険料・厚生年金保険料は下記の通りです。

  • 健康保険料:567,270円
  • 厚生年金保険料:274,500円

*1,140万円の賞与の場合、健康保険料・厚生年金保険の上限金額を超えるため、
 健康保険料は「9.90%」、厚生年金保険料は「18.30%」の率が適用されます。

役員報酬と役員賞与にかけられる社会保険料の合計金額は、

262,152円+567,270円+274,500円=1,103,922円

になります。

役員報酬で年収1,200万円もらう場合と、役員賞与の割合を増やして年収1,200万円をもらう場合の社会保険料の差額は、

2,525,760円-1,103,922円=1,421,838円

となり、約140万円もの開きが生まれます。同じ金額を年収としてもらっているのに、役員賞与の割合を増やすだけでこれだけ節税することが可能なのです。

役員賞与を利用して社会保険料を減らす際の注意点

役員賞与を利用して社会保険料を減らしていく際は、下記の点に注意してください。

  • 社会通念上、妥当な金額を設定する
  • 退職金の経費算入可能額が減額されることがある

社会通念上、妥当な金額を設定する

役員賞与の金額は、「社会通念上、妥当な金額」に設定する必要があります。役員賞与と役員報酬の金額差があまりにも大きいと、税務署から指摘が入ることもあるので要注意です。職務内容と照らし合わせて、不当に大きい金額が役員報酬となっている場合も、指摘の対象となります。同業他社の役員報酬とも比較されるので、あらかじめ同業の役員報酬の相場をチェックしておきましょう。

退職金の経費算入可能額が減額されることがある

退職金の経費算入可能額は、「最終役員報酬月額」を基準にして算入されます。したがって、節税対策で役員報酬を減らして、役員賞与を増やしてしまうと、退職金の経費算入可能額が低くなってしまいます。

将来的に、退職金を支払う予定がある場合は、そのタイミングに応じて役員報酬の金額を調整しておくようにしましょう。

役員退職金について解説した記事はこちら


まとめ

役員賞与を利用することで、役員報酬で支払うよりも多額の社会保険料を節約することが可能になります。役員賞与を支払うためには、事前に届出が必要になるので、忘れずに申請するようにしてください。また、社会通念上、あまりにも役員賞与の金額が大きいと、損金として認められない場合があります。同業他社の役員の賞与額と比較して、金額が乖離しすぎないよう注意しましょう。

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