青色申告の節税効果|白色申告との比較などわかりやすく解説

青色申告の節税効果|白色申告との比較などわかりやすく解説

記事作成日 2020/08/02    記事更新日 2023/02/05

青色申告で確定申告をすると、税制上多くのメリットがあります。 今回は、個人事業主向けに、節税対策として有効な「青色申告制度」についてご紹介します

本記事のポイント

  • 青色申告は、特別控除や赤字の繰越など、
    白色申告にはない税制上の優遇措置が受けられる制度
  • 会計ソフトが充実しており、帳簿作成のハードルは高くない

帳簿を作成し確定申告することで、税金の面で有利な特典が受けられる制度なので、ぜひ検討してみてください。

青色申告特別控除について詳細に解説した記事はこちら

青色申告とは

青色申告は、確定申告の際、一定の水準を満たす帳簿に基づいて申告した場合に、税制上有利な取扱いが受けられる制度です。対象者は、不動産所得、事業所得、山林所得のある人です。※ふ・じ・さん と覚えられます。白色申告と異なり、税務署に申請書の届出が必要で、高い節税効果が得られる制度です。

青色申告の節税効果

青色申告特別控除

青色申告による最大のメリットは、所得金額(売上から経費を引いた金額)から一定の金額が控除できるという特典です。令和2年分の確定申告以降、控除額が現行の65万円または10万円から、65万円・55万円・10万円の3区分になります。

控除額 条件 令和2年分以降
65万円 ・複式簿記による記帳 ・損益計算書、貸借対照表の添付 ・期限内申告 ①e-Taxによる電子申告 または、 ②電子帳簿(帳簿を電子データで保存できる制度で、事前に税務署に申請が必要)
55万円 同上
10万円 ・簡易な記帳 ・損益計算書、貸借対照表の添付 ・期限内申告

平成30年度税制改正での変更点の詳細については、国税庁HPをご覧ください。

青色事業専従者給与

配偶者や子など、15歳以上の家族と一緒に事業を行っている場合、事前の届出書に記載された金額の範囲内で適正な金額であれば、支払った給与を必要経費に算入することができます。ただし、青色事業専従者として給与の支払を受ける人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれません

赤字の繰越と繰り戻し

事業により赤字が生じた場合、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除できます。また、前年も青色申告をしている場合は、その損失額を生じた年の前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることもできます

貸倒引当金を経費にできる

売掛金や貸付金など、貸倒れによる損失に備えて、年末における貸金の帳簿価額の合計額の5.5%以下(金融業の場合は 3.3%)の金額を貸倒引当金として必要経費に計上できます

青色申告と白色申告との比較

白色申告 青色申告
事前の届出 なし あり
特別控除 なし 65万円/55万円/10万円
帳簿の種類 簡易な記帳 ・簡易な記帳(10万円控除) ・複式簿記による記帳(65万円・55万円控除)
親族への給与 【事業専従者控除】 ・配偶者:86万円まで ・配偶者以外:50万円まで 【青色事業専従者給与】 事前の届出に記載の範囲内で経費として認められる
添付書類 収支内訳書 青色決算書

※ 事業専従者控除、青色事業専従者給与の要件等の詳細はこちら

帳簿の作成は難しい?

青色申告で65万円または55万円の控除を受けるためには、複式簿記による記帳が必要です。複式簿記による記帳で、損益計算書や貸借対照表を作成する、と聞くと難しそうですが、会計ソフトを利用すればそれほどハードルは高くありません。会計ソフトは簿記に詳しくなくても、画面に従い日々の取引を入力していくだけで、帳簿や決算書の作成ができる便利なツールです。

青色申告の申請方法

青色申告の承認を受けるためには、税務署に「青色申告承認申請書」を届け出る必要があります。白色申告から青色申告に変更する場合にはその年の3月15日まで、また、新たに開業した場合は開業から2ヶ月以内など、青色申告承認申請書の提出には期限があるので注意が必要です。青色申告特別控除について詳細に解説した記事はこちら

※現在、新型コロナウイルスの影響で期限が延長されています。詳細は国税庁HPをご覧ください。

まとめ

以上、青色申告制度の節税効果や白色申告との違いについて解説しました。簡易な帳簿でも10万円の控除が受けられますので、事業所得や山林所得、不動産所得のある事業主の方は、ぜひ申請することをおすすめします

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