スポーツクラブの会費は経費にできるか?
記事作成日 2021/02/16 記事更新日 2023/02/05
「健康第一」というと個人だけの問題のようですが、最近は企業として従業員の健康増進への関心も高まりを見せています。スポーツクラブへ加入する人も増加していますが、会費も個人負担としては決して安いものではありません。そこでスポーツクラブの会費が福利厚生として使えるようになると、従業員満足度を上げながら、さらに事業主にとっても節税対策とすることができます。
ただし、事業主が契約者となり会費を支払いさえすれば、それがすべて経費と認められるわけではありません。そこで、法人・個人それぞれの場合ついて解説します。
福利厚生費と認められればOK
基本的には、「福利厚生費と認められれば」経費計上できます。「福利厚生費と認められれば」ここがポイントとなります。それでは、どのような場合は認められ、どのような場合は否認されるのでしょうか?
法人が福利厚生費として経費処理するための方法
スポーツクラブに限らず、福利厚生とは「特定の従業員に対してではなく、全従業員を対象」として利用できることを目的とした制度です。
したがって、一部の人しか使えない制度の場合は福利厚生とは認められません。一人社長の法人(家族経営の法人のその家族も含む)では経費としては認められません。
また、それ以外の法人であっても福利厚生費として経費処理するためには以下のようなポイントがあります。
- 個人会員ではなく、法人が会員になること(個人契約をして、その会費を企業が負担した場合は、給与として課税される可能性があります)
- 全従業員が平等に自由に利用できる環境にあること(利用規程を作成し、特定の対象者だけが利用する状態でないことを明らかにしておく)
- いつ、誰がスポーツクラブを利用したのかが分かるようにしておく(利用記録を作成し、運用状況を記録として残るようにしておく)
個人事業主やフリーランスはNG
一方、個人事業主やフリーランスの場合はどうでしょう。残念ながら、基本的に経費としては認められません。あくまで福利厚生費というのは、雇い主が従業員に対して提供するものであり、一人社長の法人同様NGとなります。
事業主は福利厚生を提供する側です。仮に家族以外の従業員の福利厚生を目的として契約をしたとしても、個人事業主本人の利用分は経費にすることができないので、事業主としてのメリットは薄くなります。
個人の方でも、医療費控除の対象にできる場合がある
すべての人に該当するわけではありませんが、個人の方でも、医療費控除の対象にできる場合があります。医療費控除の対象となるには「指定されたスポーツ施設で・医師の処方した運動療法処方箋に基づいて・定期的継続的に」スポーツクラブへ通うということがポイントです。
具体的には、次の3つの条件を満たすことが必要になります。
- 厚生労働省の指定運動療法施設であること
この制度に該当する施設かどうかは下記の厚生労働省のサイトで検索することができます。
指定運動療法施設一覧(厚生労働省サイト) - 生活習慣病であることに加えて、医師から運動療法を勧められていること
高血圧症、高脂血症、虚血性心疾患、糖尿病などの疾病があり、医師の「運動療法処方箋」に基づいて運動を実施していることが必要です。 - 施設での運動を週1回以上、8週間以上にわたって行わなくてはならないこと。
つまり、定期的・継続的に運動をしていなければなりません。
まとめ
本記事では、スポーツクラブの会費を福利厚生費とすることができるかについて解説しました。
福利厚生費として経費に計上することができれば給与課税はされません。従業員が心身ともに健康になることはもちろん、法人独自の福利厚生施策としてアピールすることができ、会社・従業員双方にプラスになります。
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